こんにちは、コロビトのTAKASHIです。
Substance Painterを使用していると文字やロゴなどモデルではなく、
NormalやHeightを使っている箇所に汚れやフィルターなどを使いたいときが出てきます。
今回は、そんなときに役立つ便利な機能
「Anchor Point(アンカーポイント)」 をご紹介します。
モデルは手斧を用意しました。
このモデルのように少しシンプルな形状の場合、文字やロゴなどのディティールを加えることでリアリティが増すので、今回は文字を入れてアンカーポイントを使ってその箇所に汚れを加えていきます。

1. 手斧のテクスチャ作成
まずは手斧のテクスチャを作成します。
持ち手(柄)、斧頭の順番でテクスチャを作成しました。
柄には、two_tone_plywoodをベースに木目や汚れを加えています。

これでベースのテクスチャが作成できました。
2. 斧頭に文字を入れる
続いて斧頭に文字を入れていきます。

まずはfill layer(塗りつぶしレイヤー)を追加してheightだけチェックを付けます。
(ここでは値を-0.03にしていますが、後からでも調整可能です)
Add black maskで塗りつぶしレイヤーにマスクを追加します。

fill layerに Add paintを追加して、Alphaに「alpha font」を入力すると、
文字をペイントできるアルファが表示されるので適当なものを選択します。
ここでは、「Font Black Ops One」を選択しました。

次に、ParametersのText欄にペイントしたいテキストを入力します。
ここでは練習として「ANCHOR POINT」と入力しました。

この設定でブラシがアルファで抜かれたテキストになるので、通常のブラシ同様にペイントをします。

fill layerに設定したHeightの数値を下げることで、斧に彫り込んだような見た目になりました。
(ここではHeightの値を-0.03に設定しています)

3. アンカーポイントでテキストに汚れを加える
それでは、アンカーポイントを使っていきます。
先ほどテキストをペイントしたfill layerのPaintエフェクトにAdd anchor pointでアンカーポイントを追加します。

なお、今回は汚れを追加したいので、Dirtジェネレーターを使用します。
Dirt用のfill layerを作成して、Add generator → GeneratorはDirtを選択。


Dirtを入れるとこのような見た目になりました。

そして、Dirtジェネレーターにアンカーポイントを反映させるため、
プロパティの Micro Details 内の “Micro Normal” を True に設定します。
続いて Image Input の “Micro Normal” を開き、“ANCHOR POINTS” タブから先ほど作成したアンカーポイント “Normal mask” を選択します。

そうすると、Dirtパラメーター内のImage Input欄にMicro Normalが表示されるので、ここまでくれば設定は完了です。

先ほどペイントしたテキストの凹凸に対してDirtの効果が適用された見た目になりました。
あとは、Dirt Levelなど調整すれば完成です。

ちなみに、Micro NormalではなくMicro Heightにアンカーポイントを適用した場合も見てみます。
先ほどのDirtジェネレーターを適用したfill layerを複製して、パラメーターを調整します。
● Micro Height True
● Image Input Micro Heightにアンカーポイントを適用

Micro Heightに適用したときは、
ペイントしたテキストの淵に汚れが溜まっているような見た目になりました。

比較画像はこちらです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
今回はSubstance Painterから「Anchor Point」をご紹介しました。
アンカーポイントは、設定したレイヤーを他のレイヤーで参照する機能なので、
今回のようなペイントで凹凸を作ったケースの他に、壁に貼られたステッカーや鉄の削れた汚れなど様々なシーンで応用できるのでぜひ活用してみてください。
このページが参考になれば幸いです。
ありがとうございました!
また次回!








