こんにちは、コロビトのTAKASHIです。
今回は、Mayaの便利な機能
「MASH」と「Curve」を使って鎖(チェーン)のモデリング方法をご紹介します。
チェーンのモデリング方法は調べるとたくさん目にすると思いますが、
今回はMASHを使ってわかりやすくご紹介できるよう努めていきます。
早速ですが、こちらが完成品のモデルです。

今回は、ポールとポールの間の「チェーン」部分にフォーカスして、MASHとCurveを使って作っていきたいと思います。
1.鎖(チェーン)のモデル作成
まずは、チェーンの1パーツを作成します。
Primitivesのトーラス(Torus)からはじめると簡単に作れます。

このパーツはMASHで複製されるので、モデルができた時点でUV展開もしておきます。
※ポールも作成しました(この作業はメインではないので省略しても問題ありません)。
詳細は割愛しますが、Cylinderにチェーンが取り付けられるようにフックをつけて見た目を整えています。

2.Curveを作成
Create > Curve ToolsでCurveを作成します。
今回は、ポールとポールの間にCurve Toolsを使って曲線を描きました。
こうしたチェーンやロープのように両端が固定されて垂れ下がる形状を再現する場合、「カテナリー曲線」(懸垂線)を意識してカーブを作るとより自然で現実的な見た目になります。
(カテナリー曲線は、例えば電柱間に張られた電線のようなたるんだ曲線のことです)

※今回は下記の値を想定して曲線を作成しています

公式もあるのですが、今回はあくまで紹介までにとどめておきたいと思います。
気になる方は参考URLを記載するので調べてみてください。

参考URL:カテナリー曲線|OPEO 折川技術士事務所
https://opeo.jp/library/onepoint/calc/function_curve/func_curve_cat/
ここまでで、チェーンのパーツのモデルとCurveが揃いましたのでMASHの準備ができました。
3.MASHを使ってパーツを複製
今回のMASHでは、Replicator、Curveの2つのノードを適用します。
※ややこしいので順を追って説明していきます
まずはチェーンのパーツを選択した状態で、上部のメニューバーのMASHから、Create MASH Network のオプションを開き、MASHを適用します。
あわせて、MASH Editorを表示させておくと管理がしやすいのでオススメです。
※ここでは、MASH Editorで「MASH」からChain_Mashという名前に変更しています

MASHを適用するとAttribute Editorでは、MASH_Distributeが確認できます。
デフォルトの数値から下記のとおり数値を変更しておきます。
・Number of Points:1
・Distance X:0
続いて、MASH Editorの+マークのボタンからReplicatorを選択して適用します。
適用するとAttribute Editorでは、MASH_Replicatorが確認できます。
こちらも数値やチェックを下記のとおり変更しておきます。
・Replicants:60 ※ここは1以上であれば任意
・Offset Position Z:0
・Pattern
・Affects Position:チェックOFF
・Affects Scale:チェックOFF
・Pattern Rotation X:90
Pattern Rotation Xを90にすることで、チェーンのパーツが90度傾いて交互で並ぶようになります。

そして、MASH Editorの+マークのボタンからCurveを適用します。
またAttribute Editorでは、MASH_Curveが確認できるため、
こちらも数値などを下記のとおり調整していきます。
・Input Curves:先ほど作成したCurveをOutlinerから中ボタンドラッグ操作で入れます
・Step:1

MASHのCurveノードを適用すると、このように作成したCurveに沿って並びました。
このままではMASHで複製されているパーツ数が足りていないので、MASH_ReplicatorのReplicantsの値を、隙間ができないよう調整します。
※今回、Curveの長さに合わせると100がちょうどよくなりました。

もし、Replicantsの値を増やしたときに、90度交互に傾かなくなってしまったら、
一度MASH EditorでMASH_CurveをOFFにして、再度ONにすると交互に並んでくれます。


ここまで、お疲れさまでした。
MASHで作成したチェーンは、Curveに沿って配置してあるので後からでも形状が調整できます。
最後に、好みの曲線に調整してもらえば完成です。

1つ素材を作っておけば、あとからチェーンのパーツやCurveの形状を変更することができます。
MASH機能は、はじめのうちは意外ととっつきにくく感じますが、いろいろな場面で使える便利な機能なので、今回紹介した使い方がきっかけになると嬉しいです。
ありがとうございました!
また次回!