はじめまして、今回の記事は入社2年目の背景モデラーのMINATOが担当させていただきます!
今回モデリングするのは、身近なアイテム「鉛筆」です。
一見シンプルな形に思えますが、頂点をひとつひとつ動かして作ると、形が歪んでしまったり、修正に時間がかかってしまうこともあります。
そこで今回は、「ブーリアン機能」を使って、効率よく鉛筆をモデリングする方法をご紹介します。
手間をかけずにきれいな形を作りたい方におすすめのテクニックです!
ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

まずはじめに、新品の鉛筆と、それをブーリアンで削るためのメッシュをモデリングします。
今回モデリングするのは以下の2つです。
A.鉛筆本体
B. 鉛筆をブーリアンで削るための鉛筆削り


A.Mayaで新品の鉛筆のモデルを制作します。
まずCreateからCylinderを6角形で作成します。
作成した円柱を実際の鉛筆の大きさに合わせて調整します。
その後、ブーリアンで鉛筆を削る前にポリゴン数を増やします。
一周が36本のエッジになるように、6角形のそれぞれの側面に対してエッジを5本ずつ追加します。
実際に鉛筆を測ったところ、高さ:175mm、幅:7mmだったので、これに合わせて制作していきます。

B. 次に、ブーリアン機能で使用する「鉛筆削り」のモデルを作成していきます。
鉛筆削りの制作は、以下の4つの工程に分かれています。
それぞれのステップで形を整えながら、最後に鉛筆本体に合うよう微調整を行います。

①まず初めにCreateからCylinderを36角形で作成します。
Cylinderを作成するときは、鉛筆が6角形のため6で割り切れる角にするといいです。
②作成した円柱の中心にある頂点を選択後、EditMesh>ChamferVertexで頂点をエッジのサークルに作成します。
③多角形の円を選択後、EditMesh>Extrudeで下方向に押し出していきます。
④押し出したフェースをEditMesh>CenterToMergeでマージします。
ここまで出来たらいよいよブーリアンで鉛筆を削っていきたいと思います。


制作した「A.新品の鉛筆」と「B.ブーリアンで鉛筆を削るためのモデル」を画像のように調整して配置します。
A→Bの順で選択後、EditMesh>Booleans>Differenceを適用します。

Booleans>Differenceを使用後、画像のようになっていれば成功です。
ここで、綺麗な形にならなかった場合は、ブーリアンをかける前まで戻って再度調整します。
Maya2023からは、ブーリアンがリアルタイムで可視化されるので試してみてください!


(失敗例)
画像のように鉛筆と鉛筆削りの中心がずれていたり、鉛筆の先が削りきれていないなど、望まない結果の場合は鉛筆削りの位置やモデルの形状を修正してから再度ブーリアンで鉛筆を削りましょう。

最後にブーリアンで綺麗に鉛筆が削れたら角の立つ場所を選択してEditMesh>Bevelを適応します。

その後、画像のように角の立つ場所に実際の鉛筆と同じようなハイライトが入れば完成です。

いかがでしたか?
今回はブーリアン機能の一部を使って鉛筆を制作しましたが、ブーリアンは非常に便利なモデリングツールです。シンプルな形状を組み合わせて複雑な構造を効率的に作成したい場合や、複数のパーツを仮組みして大まかな形状を素早く作りたい場合など、手作業では難しい形状を短時間でモデリングするのに最適な機能と言えます。
まだまだ、他の機能や使い方があるので、また紹介出来たらなと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
引き続きよろしくお願いします。