こんにちは、コロビトのDAISUKEです。
前回に続き、Mayaのお役立ち情報を発信します。
今回の記事は入社2年目の背景モデラーが担当いたします。
今回紹介するのは、「スムーズ解除(Unsmooth)」についてです。
スムーズ解除とは、スムーズが適用されたモデルを、おおよそスムーズ前の状態に戻す機能です。
「スムーズをかけたモデルを修正したい……でもヒストリーを消してしまって、スムーズ前の状態に戻せない。」
そういった場合に役立つのがこの機能です。
実は案件でうっかりスムーズのヒストリーを消してしまったことがあり、この機能に助けられました。
Maya2024から追加された機能なので、昔からMayaを触っている人ほど知らない人が多いのではないでしょうか。
今回はサンプルモデルとして椅子を作りました。

この椅子のクッションには、分割レベル2でスムーズをかけた後にヒストリの消去を実行しております。
ところが後になってスムーズ前のローモデルに戻す必要が出たとします。
ではスムーズ解除をかけてみます。クッションを選択し、「メッシュ(Mesh) > スムーズ解除(Unsmooth)」を選択します。

実行すると分割レベルを聞かれます。
スムーズをかけた時と同じ値にしましょう。
今回の場合は2を選択することで、分割数がスムーズをかける前と同数になりました。

スムーズ解除の注意点として、「完全に元の形には戻らない」という点があります。
以下画像でスムーズ前とスムーズ解除後を比較すると、形状が異なっているのが分かると思います。

別のモデルでも実験してみました。
たとえば、マウスのモデルでは以下のようになります。


スムーズ解除は文字通りスムーズをかけた直後のモデルに使うことを想定した機能のため、スムーズ後に編集を加えたモデルでは正常に動作しないことが多いです。
例えば三角ポリゴンが混ざっているとエラーとなってスムーズ解除が行われません。
リダクションツールとしては使えない点にも注意ですね。
スムーズに関してはヒストリやスムーズ前の複製を残しておくことが大事かもしれません。
Mayaのバックアップデータが残っていれば、そこからインポートしてくるのも良いですね。
そのいずれかも残っていない場合の最終手段として覚えていたら役に立つのかもしれません。
今回はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。